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空飛ぶソイ・ソーセージの全て

空飛ぶソイ・ソーセージとは、存在せず、かつふわふわと軽い何かである。そんなふうに細く長く続けていけたらいいですね。

本との別れの話

 うがままに本を選べまた買えたらいいのに、と思う、つくづく、ほとほと。特に休日の午後早くに訪れた大型書店でテンションの上がるにまかせてあれやこれや、経済学の新書から自宅でできる簡単おつまみ、1000ページ越えのボヴァリー夫人論に笑いつつ、ポール・オースターの新作をパラパラと見る、なァンてハイソな空気に気詰まりになった息抜きに、LOの表紙をよしよしとチェックしたり一応『苺ましまろ』の新刊がやっぱり出てないかと確かめたり、なんてことをしているうちに「当店の閉店時間は午後六時となっております、会計のお済みでないお客様はお近くのカウンターにお急ぎください」との非情なアナウンスに我に返り、手持ちの籠にこんもり積み上げた書籍、これを全部買うわけにはいかないなってことに思い当ると悲しくて、何年も連れ添った仔豚のポールと別れるときみたいに、愛おしげにその表紙を撫でたところで、もう店も閉まるから、疲れたから、もとの場所に一冊一冊返していって、しかしあァ明日にはきっと、自分がどの作品を嬉々として集めていたのか忘れてしまうんだろうな、とぼんやり考えつつ、しかし悔しいのであえてブックリストを作ったりはしない、そんな何もしなかった日曜日の夕方の寂しさ、侘しさ。